パネルディスカッション『次世代イノベーションが拓く新しい世界−未来を創るために』


パネルディスカッション『次世代イノベーションが拓く新しい世界−未来を創るために』黒田玲子氏の発言 『日立評論』創刊一千号記念フォーラム p.44

 ディスカッションの途中に、『科学のインタープリター』という役割が大事となっている。これは領域が異なる二者をつなぐ人材というような意味で使われています。たしかに必須の役割だ。インタープリターができること、つまりインタープリターシップのようなことが大事なのでしょうね。インタープリターというものが専業で成立するわけではないのでしょうね。ここが難しいところであります。さあ、インタープリターになろう、というようなものでもなさそうです。インタープリターとおぼしき人はどうやってなれたのでしょうか。

 なお、御発言された黒田氏は東京大学院の教授でありかつ内閣府総合科学技術会議の議員という肩書きがある方です。

 引用します。

「『いかに伝えるか』だけではなく、『何を伝えるか』の、両方がわかる人間がサイエンスインタープリターとして活躍してほしいと、私は提唱しています。それから全体と個の関係とか、リスクとベネフィットの関係とか、物事を定量的に、あるいは確率的に考えることができる。そういう科学的な物の考え方ができる人です。単に科学的知識があるだけではなく、物の考え方を身につけ、社会の仕組みや人の心もわかる、社会と科学研究に携わる人をつなぐ役割が、私はこれから絶対に必要になってくると思っているのです。」p.44