2006-01-01から1年間の記事一覧

橋本毅彦『標準の哲学』講談社選書メチエ 〔2002.3〕 著者の方はとても淡々と語られています。控えめで謙虚なる筆致であります。誠実です。静謐です。であるがゆえにとても劇的な感じがするから不思議です。不思議なる魅力の本であります。 著者の方は、製造…

北村慶『外資系コンサルの真実』東洋経済〔2006.11〕 会社を良くするということについて、社員が言うことよりも、お金を払って雇った外部の方の言うことの方が価値があるのだろうか?どうして毎日そこに居る人ではダメと思われているのか?そんなことを考え…

Kenneth N.Mckay/Vincent C.S.Wires著 中野一夫/西岡靖之監修『生き残るための生産管理マネジメント』日経BP社〔2005.10〕 製造業における生産管理という仕事、実務に対して、なんとかこれを情報システムによって支援しようという生産管理システムという…

平野裕之『限りなく受注に近い生産』日刊工業新聞社[2001.5] 実は思想の本ではないか、と思います。ライン化の時代だ、とおっしゃっておられます。「大」から「小」への時代であるということです。映画館や銭湯が退いたのは、バッチ処理だからだ、と分析さ…

ジェームス・モック『ここが変だよ!日本のIT 第一回』雑誌月刊ソリューションIT リックテレコム〔2006.9〕p.42 鋭い方です。平易な言葉でわが国の情報システムのあり方を的確に分析してくれます。日本は (1)ものづくりは優秀なのに、 (2)なんで情報シ…

藤本隆宏『日本のものつくり哲学』日本経済新聞社[2004.6] 【1】この方の凄いところ この方のアジェンダ設定のセンス、言葉作りのセンスが凄いです。とても勉強になりますし、私の仕事には直結する話題でありますので熱読した本であります。 【2】観点への…

小此木啓吾『「ケータイ・ネット人間」の精神分析』朝日文庫[2005.1]原書は『「ケータイ・ネット人間」の精神分析−少年も大人も引きこもりの時代』飛鳥新社[2000.10] web2.0に先立つこと数年…か、どうかわかりませんが、著者小此木啓吾さんは本書で「1.5…

野口悠紀雄『「超」整理法4 コミュニケーション』中公文庫[2003.11]原書は『続「超」整理法 ・時間編』中公新書[1995.1] 方法本の古典です。野口さんは名文家です。この人の著書は、電車に乗って読んでいると、とても引き込まれて、降車予定駅で降りそ…

西村晃『速効!ケータイ仕事術』成美堂出版〔2006.?〕 企業の中でスタッフ的な仕事をしています。結局、なにか課題を与えられてこなすか、提案を作るというのが仕事になります。工程を決めて、情報を集めて、情報を加工してということになります。そして、あ…

清水義範 『スラスラ書ける!ビジネス文書』 講談社現代新書[2006.4] 実は本書はビジネス文書をどう書くかという本ではなく、文書は何のために書くのか、という本です。 テクニックではなく、そのさらに下層、下部構造、背景といようなところに言及してい…

宮崎貞至『企業情報はこんな手口で盗まれる』東洋経済新報社〔2005.1〕 企業の中の情報セキュリティの分野というのは、半可通の技術者たちが考えることを止める分野です。思考停止をしてひらきなおる分野です。相談してみてつくづく思います。 たいていは「…

高任和夫『偽装報告』光文社〔2006.4〕 品証部署というのはどういう部署であるのかを理解するのには好適な本です。小説だから判りやすいです。著者に感謝いたします。企業の業務プロセスの勉強という点で有益です。車の品証に携わる人々がどこに職業倫理を抱…

酒井邦秀 『快読100万語!ペーパーバックへの道』 ちくま学芸文庫 〔2002.6〕 私の好きな「方法本」です。これは英語の勉強の本なのですが、この著者の主張はとても本質的です。英語の勉強の話なんだけれども、深い深いものがありますので、読む側としては、…

藤井厳喜「這い上がれない未来」光文社〔2005.12〕 国家破産が来る、そして超・格差社会が来るぞ、という本です。なぜか?要するに日本は道を誤ったから、だそうです。それはどうしてか。著者に拠れば、明治は良かったけれども、高等文官試験制度というのが…

ビル・エモット『日本はなぜよみがえったのか?日はまた昇る−日本経済復活の秘密』文藝春秋[2006.2] 東谷暁氏がロンドンのグリーンパークのエコノミスト編集部まで行って取材されてきた、ビル・エモット氏の日本経済についてのコメントが読めます。 ゆっくり…

田宮虎彦『霧の中』新潮文庫〔1956.3〕 年齢のせいか、「明治、大正、昭和と日本人はどんな一生を送ったのだろうか」とても気になるようになってきました。田宮虎彦の「霧の中」という短編集は、明治から戦後にかけての日本人の一生を書いた短編が集まってい…

パネルディスカッション『次世代イノベーションが拓く新しい世界−未来を創るために』 パネルディスカッション『次世代イノベーションが拓く新しい世界−未来を創るために』黒田玲子氏の発言 『日立評論』創刊一千号記念フォーラム p.44 ディスカッションの途…

吉田たかよし『不可能を可能にする最強の勉強法』PHP文庫〔2004.12〕 勉強の仕方、読み方、書き方についての参考書です。方法の本というのは好きなので、つい読んでしまいます。勉強の仕方、読み方、書き方についてそれぞれ良いことが書いてありました。…

三上直之『「超」読解力』 講談社+α新書[2005.11] この本で学んだのは「読書中の本への書き込みには☆記号を使おう」という妙手です。読書中の本に対するマーキングや書き込みするときに、どうしても思考がそこで停止してしまう、速度が不満だなのです。こ…

市田嵩、牧野鉄治『デザインレビュー』日科技連(1981.8) これは必読書。座右に置いておきたい著作です。物事を進めるときに、フェーズを切って計画をして、節目を持って進度を確認・共有する、というような基本的なことです。だが、この手のことがこの本が…

増田悦佐『高度経済成長は復活できる』文春新書[2004.7] 名著。日本国破産とか国家破産後の日本といった本は読んだことがある。ドルで預金しろ、いや封鎖されるから意味がない、とどちらかといえば対策面の本(金持ちでないと対策は打てないが)はよく見か…

小浜逸郎『頭はよくならない』洋泉社新書Y [2003.3] 【1】感謝 あたりまえのことを言う人が必要になってきました。昔はてえと、身の回りにあったりまえのことを言ってくれる人がいました。だから人を騙くらかそうとする悪い輩が甘言を弄んで近づいてきて…

『情報処理』2005 Vol.46 No.12 通巻490号(2005年12月号)の中の美崎薫さんという方のコラム『自分について考えるツール』(p.1382)が面白いです。【1】プロセスへのこだわりが凄い この方の御職業については全く知らないのですが、有名な方らしい。なにか…

話して面白い人は比喩が面白い人です。「○○じゃないんだから」という突っ込みが面白いですね。いわゆるシステム屋という分野の方々にもこういう方は稀にいらっしゃいます。私の好きな道楽は、そういう方との邂逅をすること、そして、雑談で過剰に意気投合す…

山崎武也『人生に老後という名の時間はない』PHP研究所[2005年3月] 「二十歳の原点」の高野悦子さんじゃないが、会社員ではないソロになることの準備、それが私の○○歳の原点だ。と改めて自覚させてくれます。 山崎さんはささやいてくれます。君は60歳に…

成毛眞『新世代ビジネス、知っておきたい四賢人版マーケティングの心得』文春文庫[2004.11] マイクロソフトに居た成毛さんの対談本、相手は松村劭、唐津一、和田秀樹、安延申の四氏。 四氏との対談を通じて、商品、ビジネスの構想から設計から実施から検証…

岡田謙一『協調作業におけるコミュニケーーション支援』電子情報通信学会誌Vol.89,No.3,2006〔2006.3〕 岡田氏は協調作業を支援する技術について論じられ、御自分で開発されておられるシステムをご紹介してくれています。すばらしい分析です。最近の私の遭遇…

山本七平『ある異常体験者の偏見』文春文庫[1988.8](単行本は1974.5) 「アントニーの詐術」「悪魔の論理」「聖トマスの不信」の3つの章が凄い。この3つを読めば、とても恐ろしいことが理解できます。何が危険か、何か恐ろしいか明解にわかる。厄禍・災…